空冷ワーゲンの各モデルについて

空冷ワーゲンのモデルについて、代表的なものを中心にご紹介します。

基本的に共通したコンポーネンツを持つ空冷ワーゲンですが、ボディ形状等の違いを持つ各モデルが存在します。そのモデルは大きくタイプ1からタイプ4、そしてカルマンギアと、5つのモデルを中心に展開されています。

タイプ1(Type1)- ビートル -

空冷VWの中の代表モデルでもあるのが、通称ビートルことタイプ1(Type1)です。

タイプ1にのボディタイプには、セダンとカブリオレ(コンバーチブルのこと)の2タイプがあります。

また、スプリット(1938~53)、オーバル(1953~57)、6V(1958~66)、ロクナナ(1967)、アイロンテール(1968~72)、ビッグテール(1973~78)と呼ばれるように、年代によりそれぞれ特徴があります。

なかでもスプリットモデルは現存するなかで最も古いモデルであり、いまやとても貴重なモデルとされています。

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タイプ2(Type2)- ワーゲンバス -

タイプ2は一般的に「ワーゲンバス」と呼ばれ親しまれています。

ヒッピーが出てくるような昔の映画では、ワーゲンバスに乗って旅に出ていたりするので、なんとなく自由の象徴的イメージもあります。

また、おしゃれなキャンプとか、カフェなどの移動販売車に、ワーゲンバスが用いられることも多く、感度の高い人たちにも人気です。

タイプ2は豊富なバリエーションがあり、貨物運搬様の「パネルバン」や「デリバリーバン(略してデリバン)」、リアがトラックの荷台となっている「ピックアップ」、キャンプ仕様の「キャンパー」などがあります。

また年式により大きく2つのモデルに分類され、初期のフロントウインドウが2分割されたモデルを「アーリー」、その後のフロントガラスが湾曲したモデルを「レイト」と呼んだりします。

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タイプ3(Type3)

ビートルの「国民車」構想を引き継ぐべく登場したのがこのタイプ3です。

セダンタイプの「ノッチバック」、クーペタイプの「ファストバック」、ワゴンタイプの「バリアント」の3タイプがあります。

1961年に登場したタイプ3ですが、1970年にはアメリカの安全基準に合わせて、バンパーやウインカーが大型化されたり、ボンネット形状がスクエアになりラゲッジスペースが大きくなったりとマイナーチェンジが行われます。

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カルマンギア(Karmann Ghia)

タイプ1をベースにスポーティーでよりゴージャスにしたモデルがカルマンギア(タイプ14)です。

タイプ1のコンポーネンツをベースに、イタリアのカロッツェリア・ギア社によるデザインとドイツのコーチビルダーであるカルマン社によるボディ架装とにより制作されました。

流れるボディデザインは美しくスポーティーで、クーペモデルとカブリオレ(コンバーチブル)の2タイプがあります。

また、後にタイプ3をベースにしたカルマンギア(タイプ34)も登場します。

タイプ34はタイプ14と比べると四角いデザインで、少しアメリカ的なデザインをしています。

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その他の空冷ワーゲンモデル

代表的なタイプ1やタイプ2、タイプ3、カルマンギアの他にも、実は空冷エンジンを備えるフォルクスワーゲンもでるはまだまだあります。

例えば、タイプ4やタイプ2の後継モデルにあたるヴァナゴン、軍用車のような形をしたスウィング(タイプ141)、オフロード仕様のバハバグ(Baja Bug)、砂地を走るデューンバギー(Dune Buggy)、幻のカブリオレモデルや、その他のコーチビルダーによる隠れた名車など。

また、往年の名車であるポルシェ 356やポルシェ550のレプリカモデルや、さまざまなキットカーなども、シンプルな空冷ワーゲンのコンポーネンツを利用して作られました。

ドイツ本国のフォルクスワーゲン車の認証を受けてライセンス生産を行っていたフォルクスワーゲン・ド・ブラジルならではのモデルなんかも存在し、ものすごく奥が深いところが空冷フォルクスワーゲンの魅力でもあります。

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