不思議なことに、たかが自動車であるにもかかわらず、なぜか空冷フォルクスワーゲンが身近な生活にあると、景色が変わって見えてくる。
かつて、ビートル乗りの私の父は、「どんな景色でも、ワーゲンがあるだけで絵になる」と言っていた。
子供の頃はピンとこなかったが、私自身もワーゲンを所有するようになり、その言葉に間違いはなかったと確信している。
ピカピカのワーゲンだけでなく、それがボロボロのワーゲンでも、不思議とおしゃれに見えるから不思議だ。
そういった魅力を、空冷ワーゲンは持っている。
だからこそ、一度手に入れると、手放せなくなってしまうのだろう。
そんなフォルクスワーゲンのあるライフスタイルを想像するうえで、とても楽しい本がある。
それが「フォルクスワーゲン・ライフスタイル・ブック」だ。
「フォルクスワーゲン・ライフスタイル・ブック」は、車好きのメカニカルな記事とは無縁な、むしろファッション誌のような本だ。
空冷ワーゲンとの日常のスナップがたくさん載っている。
これから空冷ワーゲンを手に入れたいと思ってる方はもちろん、既にワーゲンを所有している人でも、こういった素敵なワーゲンのある暮らしを眺めるのは、とっても楽しいに違いないはず。
現に私もときどき、コーヒーを飲みながら「フォルクスワーゲン・ライフスタイル・ブック」を眺めつつ、ニヤニヤしているのだから。
少し古い本だが、探せばまだ見つかると思うので、ぜひ手にとって眺めてみてほしい。
空冷ワーゲンは旧車だから車に詳しい人以外は乗れない、という思い込みは捨て、単純におしゃれだから乗ってみたいというのもアリだと思う。
そうやって手に入れてから、ゆっくりと少しずつ愛車について詳しくなっていけばいいのだ。
付き合いは長く。それが理想的。