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空冷ビートルの暖房について 暖房の効きが悪い・効かないときの原因は?

空冷ビートルにはクーラーこそ標準で装備されてはいないが、暖房の機能はあらかじめ付いている。

とはいえ、この暖房があまり効かない?いや、全く効いてない!なんてことも、起こり得る。

空冷ビートルの暖房の吹き出し口は、フロントの足元(もしくはサイド)の左右と、リアシート下の2箇所だ。

低年式と高年式とで、暖房を入れる方法は異なる。低年式はシフトノブの前のダイヤルを開くことで、暖かい空気が吹き出し口から出てくる。

高年式はサイドブレーキのすぐ後ろの右レバーを上に上げることで、暖かい空気が吹き出し口から出てくる。左側のレバーはリアシート下部からの吹き出しの開閉用だ。

空冷ビートルの暖房の仕組みはとても原始的だが、よく考えられた構造になっている。

エンジンの回転と連動するエンジン冷却用ファンによって発生した風を、エンジンから伸びるエキマニを包み込むようにして配された配管へと熱を送り込み、その熱を車内に送るという仕組みで暖房効果を生み出す。

この仕組みのことを「ヒート・エクスチェンジャー」という。

エンジンの回転数と連動して風量が変わるため、高速道路など回転を上げると風量は自ずと増える。そこは、オンオフの開閉レバーと吹き出し口のレバーとて調整するわけだ。

ちなみに、暖気状態のときはエンジンの回転数も低く、エキマニも温まっていないため、乗り始めはあまり暖かい風が出てこなくて寒い。

空冷ビートルに限らず、空冷のワーゲンバスやタイプ3、カルマンギアなども、基本的に暖房は同じ仕組みになっている。

ところで、この暖房を入れてみたところで、あまり暖かい風が出てこない、もしくは全く出てこないなんてことがある。

その原因として考えられるのは、暖房用の吹き出し口の開閉ワイヤーが作動していない場合と、吹き出し口までの配管が詰まっている場合とが考えられる。

開閉ワイヤーの動きが渋い、もしくはワイヤーが切れているために、暖房の風が入ってこないというのであれば、さほど重症ではない。

しかし、ヒート・エクスチェンジャーから車内の吹き出し口へとつながるサイドシルの空間内が錆びて塞がってしまっているとなると、これはちょっと修理が大掛かりになる。

ちなみに、もっと安定した暖房効果を得たいなら、後付で燃焼式ヒーターというものを取り付けるという方法もある。

ドイツのベバスト(Webasto)というメーカーのものが一般的で、今も新品が手に入る。

Webasto 燃焼式ヒーター

燃焼式ヒーターは燃料はガソリンで、ビートルのフューエルタンクから分岐させて使用する。また、車載バッテリーで動かすため、エンジンがかかっていなくても暖房が使える。

ベバストのガソリン消費量は0.27L/時間と、わりと高燃費だ。サーモスタット機能で設定温度により、自動オンオフも可能となっている。

安定した暖房機能を求める人にとってはありがたいベバストの燃焼式ヒーターだが、本体価格が約20万円、取付費用がおよそ6万円、その他、吹き出し口の取り付け個数などに寄り、加工賃も合わせるとトータル30万円くらいの費用がかかる。

ちなみに、私は過去にほとんど暖房が効かないカルマンギアに乗っていたことがあるが、冬場は車内でも厚着しマフラーまで巻いて乗っていた。

信号待ちなどで隣に並んだ車が、変な顔をしてこちらを見ていたことがしばしばあったが、そういたなんでもない日常までもが、旧車に乗ると深い思い出になるところがおもしろい。

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