空冷ワーゲンを購入する際の注意点についてを解説します。
事故車は避けたいところ
まずはなんと言っても、「事故車」は避けたいところです。
少しフェンダーがへこんでいる程度なら問題はないと思いますが、シャーシまで影響が出てしまうほどの事故を起こしたクルマは避けるべきです。
これをどうやって見分けるかというと、なかなか見抜くのは難しいのですが、事故歴のないものは、どこか全体がピシッとしています。
そういったオーラが出ているといいますか、まずは、そういった直感も働かせてみてください。
できるだけノーマルのものを選ぶ
そのためにも、できるだけカスタムされていないノーマルに近いワーゲンを選ぶことをおすすめします。
大胆にカスタムされたワーゲンの場合、事故などを起こしたために純正パーツが損なわれ、カスタムパーツによって補修がなされた場合もあります。
そういったカスタムされたワーゲンの場合、一見純正パーツに見える箇所さえも年式にそぐわないパーツが付いていたりします。
そうなるともうオリジナルがなんだかわからないようなツギハギだらけの車となってしまい、価値的にも下がってしまいます。
とは言え、空冷ワーゲンは相当旧いクルマなだけに、全くのオリジナルというクルマもほぼ見つからないのが現状です。
なので、どういったスタイルで乗りたいかをイメージして、そのイメージとのバランスで選ぶとよいでしょう。
専門店に相談してみよう
そこで頼りになるのが空冷ワーゲンをよく知る専門店(スペシャルショップ)です。まずはスペシャルショップによく相談しながら車を選ぶことをおすすめします。
カスタムされている部分が気に入っているなら良いのですが、ノーマルの状態から少しずつ自分の好みに仕上げていくのも空冷ワーゲンの楽しみのひとつです。
外観をチェックする場合は、ドアやトランクのチリがあっているかのチェックは大事です。
少し離れたところからワーゲンを眺めてみると、イメージがつかみやすいです。
ボンネットの内側なども覗いてみると、補修跡が見つかる場合があります。
空冷ワーゲンのウィークポイント
空冷ワーゲンには構造上いくつかのウィークポイントがあります。
そのウィークポイントとは、バッテリーの下やドアの下回り、サイドシルなどの腐りです。
なので全体を見回したら、次にドアの下部、それとバッテリーの下などのサビ具合を必ずチェックしましょう。
ちなみに、バッテリーは後部シートの下に隠れています(ビートルの場合)。
また、シャーシが腐っていると、走行にも影響が出てきますので(これも十分に修理可能です)、下回り(特に後部座席下)もしっかりとチェックします。
これまでガレージ保管されていなかったワーゲンは(もとが大衆車なので、ほぼガレージ保管されていません)、これらの箇所は必ずと言っていいほど腐ります。
なので、遅かれ早から、1度や2度は補修されていると思います。しっかりと補修されているなら、しばらくは大丈夫でしょう。
もしも腐りが見られるようなら、購入時に修理が可能かどうかショップに相談し、できるだけ納車前に補修をお願いすると良いでしょう。
放置すると原形を失うほど腐り、ボディの剛性も落ちてしまいますのでご注意を。
よりオリジナルに拘るなら
オリジナルに拘るなら、シャーシナンバーとエンジンナンバーをチェックしましょう。これらのナンバーがマッチングしていれば、エンジンは載せ替えていない証拠です。
ただ、オリジナルエンジンであっても調子が悪ければ意味がありません。クルマは走ってなんぼです。
ただ、空冷ワーゲンは今でも新品のエンジンが手に入りますので、その点も実は心配いりません(お金はかかりますが)。
目視での点検をした後は、試走させてもらいましょう。空冷ワーゲンは希少車なため、場合によっては運転させてもらえないかもしれません。
その場合は隣に乗せてもらい、走っている時の安定感や挙動などをチェックしましょう。
また、まっすぐ走るかどうか、ミッションの入り具合はどうかなども、しっかりと確認しましょう。
理想のワーゲンは見つからない
予算の都合や現存する個体が少ないことなどより、理想のワーゲンを思い描いていたとしても、なかなか好み通りの車は見つからないでしょう。
なので、多少理想とは離れていても、そこまで気にならない程度の車を見つけ、あとはコツコツと自分好みに手を入れていくのが良いと思います。
そして最後に、なんと言っても一番大事なのが、そのクルマを見た旬感に「ビビッ!」と来たかどうか、ということです。これは意外に大切です。
何色が良いとか、何年式が良いとか言っていても、意外と一目ぼれのような出会いを感じるクルマこそ、「選んで正解だった!」ということはよくあります。
空冷ワーゲン探しは「相棒探し」と同じ
なんと言っても空冷ワーゲンを手に入れるということは、「相棒(パートナー)」を探すこととおの同じことなわけですから。
空冷ワーゲンは旧いクルマなので 、現代のクルマと比べたら乗り心地は随分と劣ります。
まるでゴーカートにでも乗っているみたいです。それに多少のサビなどはあたりまえで、ない方がおかしいくらいです。
空冷ワーゲンに乗るなら、そういった部分も含めて楽しめるか(愛せるか?)が重要になってきます。
近所のワーゲン専門店に出かけてみよう
空冷ワーゲンを始めて購入するなら、安心できるショップ(長年経営しているショップや有名店)で購入し、購入の際にショップスタッフの方に色々と相談に乗ってもらうのが一番です。
できれば購入後もメンテナンスを頼めるよう、近所のショップから探すことをおすすめします。
ただ、ワーゲンのメンテナンスを中心に行っていて、中古車をあまり取り扱っていないワーゲンショップもあります。
近所のワーゲンショップがそういった店の場合、他で手に入れたワーゲンの面倒を見てもらえるか、相談してみると良いでしょう。
きっと喜んで面倒を見てくれると思います。
空冷ワーゲン乗りは仲間思い
ワーゲンショップを経営されている方は、なんと言ってもワーゲンが大好きな人たちなわけです。
そんなに儲からないのに(笑)、ワーゲンが大好きだからショップをやっている人たちばかりです。
なのであまり修理代やメンテナンス代もケチらず、今後もショップが存続できるよう、お互いに協力し会える関係を築いてほしいと思います。
また私の主観ですが、空冷ワーゲンオーナーの方は仲間意識が強くフレンドリーな方が多いように感じられます。
そして自分の大好きな空冷ワーゲンに興味を持つ人がいたら、思いっきりおすすめしてきます(笑)。
なので、もしも空冷ワーゲンに乗っている人を見かけたら、思い切って話しかけてみると良いでしょう。きっと色々と教えてくれると思いますよ。
空冷ワーゲンのイベントへ出かけてみよう!
また、ワーゲンのイベントが全国各地で催されています。
当サイトでもイベント情報をお知らせするようにしますので、その情報をチェックして、ぜひ出かけてみてください。
ワーゲンイベントは一度にたくさんのワーゲンを見る良い機会です。きっと人それぞれのいろんなワーゲンの楽しみ方を見ると、「自分もワーゲンに乗りたい!」という気持ちが爆発すること間違いなしです(笑)。
もっと詳しく購入時の注意点などを知りたいなら、VWバイヤーズガイド(ネコ・パブリッシング)は、とても参考になりますよ。
絶版本のため入手が困難ですが、メルカリなどで探すと見つかりやすいです。
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