空冷ワーゲンに乗りたいけれれど、オートマ限定の免許では、諦めるしかないのか。
そんな悩みを抱えている人がいるかも知れない。
安心してほしい。実は空冷ワーゲンにもオートマチック車はある。
ただし、いわゆる普通のオートマチック車はタイプ2やタイプ3にはあるものの、タイプ1（ビートル）やカルマンギアにはない。
では、オートマ免許ではビートルやカルマンギアには乗れないのかというと、諦めるのはまだ早い。
実はオートマ免許でも乗れる「スポルトマチック」というセミオートマ搭載の車が、ビートルやカルマンギアにはあるのだ。
スポルトマチックのペダルは、オートマ同様、アクセルとブレーキしかない。
シフトはいわゆるAT車の直線タイプではなく、Hパターンになっているので、一見マニュアル車のように見える。
スポルトマチックは、シフトノブに触れると自動的にクラッチが切れる仕組みになっており、エンジンの回転数に合わせてギアチェンジを行う。
そのため、普通のAT車のようにDレンジに入れたまま、ほぼギアを変えずに走れるわけではない。
言うなれば、クラッチ操作のいらないマニュアル車といったイメージ。故にセミATなのだ。
それでもクラッチ操作がないぶん、少し慣れは必要だがマニュアル車よりもかなり操作はラクなはずだ。
スポルトマチックは1967年に登場したので、それより前のビートルやカルマンギアはマニュアル車しか存在しない（カルマンギアのスポルトマチック車は1968年式から）。
なので、オートマ免許で乗ろうと思ったら、必然的に高年式から選ぶことになる。
タイプ2も1967年にスポルトマチック車が販売されるが、1973年には普通の3速AT搭載車が登場。タイプ3は1969年からAT搭載車が登場する。
スポルトマチックの車は台数的にはかなり少ないが、根気よく探せば意外と見つかるもの。
しかし、空冷ワーゲンの乗り味をとことん味わってみたいというのなら、がんばって限定解除（マニュアル免許）にチャレンジしてみるのもいいだろう。
慣れてしまえば、マニュアル操作でも、そう難しいものではない。
なにしろ、昔はマニュアル車しかなかったのだから。