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世界一貧しい大統領が愛したオンボロの水色ビートル

「世界一貧しい大統領」そう呼ばれたのは、元ウルグアイの大統領であるホセ・ムヒカ。

ムヒカ氏は2010年3月1日から2015年2月末までの間、ウルグアイの第40代大統領を務めた。

大統領時代の報酬の大部分を財団に寄付した。そして、自身の生活はほぼ自給自足でまかない、月1000ドル強の予算で生活していたため、彼のことを人は「世界一貧しい大統領」と呼んだ。

そんなムヒカ氏の愛車は、友人から送られた1987年式(中古)の水色のフォルクスワーゲン・ビートル。大統領といえど、自ら毎日ビートルを運転した。

その愛車をアラブの富豪から100万ドル(約1億1600万円)で売って欲しいと言われた際も、「友人たちから貰った物だから、売れば友人たちを傷つけることになるので売れない」と、その申し出に取り合わなかったという。ムヒカ氏の愛車であるビートルは、当時の価値にして約32万円程度だった。

ムヒカ氏の個人資産は、フォルクスワーゲン・タイプ1 (ビートル 1987年製)とトラクター、それと農地のみだった。

大統領官邸には住まず、首都郊外の質素な住居で暮らした。

自分の収入の9割は、貧しい人々へ寄付し続けた。

国連の会議では、豊かさを追い求める国際社会の在り方を批判し、こう言及した。

「貧乏な人とは、少ししか物を持っていない人ではなく、無限の欲望があり、いくらあっても満足しない人のことだ」

そんなムヒカ氏が、先日(2025年5月13日)亡くなった。享年89歳。

「足るを知る」人は、ビートルを選び、乗り続ける知恵を持っていた。

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