ビートルことType1の「国民車」構想を引き継ぐモデルとして登場したのが、タイプ3です。
タイプ3は1961年から1973年までの13年間作られました。
エンジンはリアにあるものの、エアクリーナーやキャブレター、オイルクーラーの配置を工夫することで高さを抑えた通称パンケーキエンジンを備え、フロントはもちろん、リアにも十分なトランクスペースが確保されています。
しかしラゲッジスペースの下にエンジンが収まるよう設計されているため、そこには余分なスペースはなく、後からクーラーを追加することができませんでした。
また、タイプ3はファミリーユースにはあまり適さない2ドア仕様であったこと、そして水冷エンジンと比べると非力な空冷エンジンであったことなどが理由で、他社のファミリー向けセダンと比べるといまひとつ魅力に欠け、セールスがなかなか伸びませんでした。
このスタイリングの変更により、初期よりも人気が落ちて更にセールスが落ち込み、ビートルに変わる国民車としての地位を手に入れることもないまま、タイプ3の生産は終了となりました。
タイプ3は初期の頃の比較的丸みを帯びたアーリモデル(1961年から1968年まで)と、途中でボディ形状の変わるレイトモデル(1969年から1973年まで)とに2分されます。
またタイプ3には、ノッチバック(セダン)、ファストバック(クーペ)、バリアント(ワゴン)の、形状の異なる3つのタイプがあります。
アーリーモデル
タイプ3が登場した1961年から1968年までがアーリーモデル(前期モデル)です。
1961年のデビュー時の排気量は1500ccでしたが、1965年に1600ccにアップします。
また、1968年にはキャブレター式ではない世界初の量産型電子式燃料噴射を搭載し、3速フルオートマチックギアを搭載モデルも販売開始されました。
レイトモデル
1969年以降生産が終了する1973年までのモデルが、レイトモデル(後期モデル)となります。
1969年には他の車種と同様に、タイプ3もアメリカの安全基準を満たすべく、ウインカーやテールランプが大型化されます。
ボンネットも120mm延長され、ラゲッジスペースも拡大、四角く大型のプレスバンパーが備わります。
そのため、主にフロントの形状が、よりスクエアで無骨な印象に変わりました。
タイプ3のスペック
販売期間:1961年~1973年
全長:4,225mm
全幅:1,605mm
全高:1,475mm
車両重量:880kg
ノッチバック(セダン)
タイプ3のなかで、もっともスタンダードなセダンの形をとるモデルが、ノッチバックです。
ビートルの後継モデルというわりには、そのスタイルはまるで異なり、どちらかというと現代のセダンタイプの車の典型のような形をしています。
タイプ3が登場した1961年時は、ファストバックもバリアントもなく、ノッチバックのみでした。
デビュー当初のタイプ3の排気量は1,493ccで、最高出力は45馬力、車重が880kgで、最高速度は125 km/hでした。
ただし、ボディ形状はビートルと比べ丸みを帯びておらず、そのぶん室内は格段に広くなっています(乗車定員はビートルトおなじく5名)。
ファストバック(クーペ)
1965年にはアメリカで人気が出始めたクーペスタイルの形状を取ったファストバックが追加されました。
ファストバックはフロントはノッチバックと同じもののリアゲートがなだらかにエンドへとつながるクーペの形状を取っています。
そのため、後部座席にも少し空間の余裕が生まれ、またリアのラゲッジスペースもノッチバック以上の広さが確保されています。
ノッチバックと合わせ、合計133万9124台が生産されました。
バリアント(ワゴン)
タイプ3が発表され、ノッチバックが販売された翌年の1962年に、2ドアワゴンのヴァリアント(アメリカではスクエアバックと呼ばれる)が登場しました。
積載量が非常に大きいワゴンタイプの車は、自動車が普及しファミリー層の購買数が増えるなか、とても人気がある形状でもあったため、ノッチバックやファストバックを合わせた生産台数に引けを取らないほどヴァリンとは売れ、トータルで120万2,935台が生産されました。
いまでもタイプ3ファンの中では、バリアントを好む人が多いようです。
バリアントでキャンプに出かけたら、最高におしゃれで絵になるでしょう。
タイプ3/ノッチバック/バリアント/ファストバック/スクエアバック